HSBC 香港で租税回避(税金逃れ)できるのか?
10年ほど前は資産隠しなど脱税目的で日本人がブローカーに連れられてゴリゴリのアタッシュケースに大金を詰め込んで銀行支店窓口に現金を持ち込まれている現場をよく見かけておりましたが、今はどうなんだろうか?結論から言うと仕組み上では脱税、租税回避は不可能だと言えます。その理由について下記に掲載したいと思います。
国際間で口座情報を自動交換する動き
現在、日本を含む100以上の国・地域で国際的な脱税及び租税回避を防止するために金融口座情報を自動交換する動きが始まっておりHSBC銀行も香港政府指導のもと順次確認作業が行われております。確認内容は、TAX ID(日本であればマイナンバーの番号)と居住国です。この2点の国が一致しない場合、不正を働いている可能性が高いとなるのでしょう。
参考URL(HSBCホームページ):https://www.crs.hsbc.com/en/rbwm/hongkong
飛行機での現金持ち込みの制限
香港への現金の持ち込み及び持ち出しに関しまして今まで制限はありませんでしたが、2018年7月16日より、12万香港ドル以上の現金等(現金,小切手,約束手形,無記名債権,トラベラーズチェック,為替,郵便為替)を香港に持ち込みする際に申告することが義務化されており、違反した場合は最大現金500,000香港ドルと懲役2年が科さられるようになりました。
この対策はマネーロンダリングやテロ資金供与関係の資金が香港に入ることを未然に防ぐための活動なので、悪いお金でなければ持ち込みする際にきちんと申告をすれば大丈夫じゃないかと思いますがお金の発生元を事細かく調べられるのではないかと思います。
もし証明を出すことができなれば恐らく持ち込みはできないものだと思われます。そもそもそこまでして大金を現金で香港に持ち込むメリットはない気がします。マカオで豪遊したいとかそんな理由くらいでしょうか?
国外財産調書の提出の義務化
居住者(「非永住者」の方を除きます。)の方で、その年の12月31日において、その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する方は、その国外財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した国外財産調書を、その年の翌年の3月15日までに、所轄税務署長に提出しなければなりません(「国外財産調書制度に関するお知らせ」もご覧ください。)。
国税庁
国外財産調書のポイントは、既に保有してる分も提出しないといけないという点です。現時点で既に国外にお金を出しているからといって安心できるわけでなく今まで5,000万円を国外に出している人はその分も含めて提出しなければいけません。脱税目的で日本国外にお金を出している人にとってはかなり深刻な法令となったのではないでしょうか?
香港の銀行窓口から現金を入金するときのフィルター
空港を申告せずにばれずに突破したからといって現金をすぐに銀行で入金できるというわけではありません。銀行では約100万円以上の現金を入金する際は、そのお金をどこから持ってきたかの証明の原本を出さないと入金させてくれません。銀行側でも黒いお金を可能な限り除外するような取り組みが行われております。
いかがでしたでしょうか?日本国内から香港へ現金を持ちこむこと自体が厳しくなっている上に預けることも大変で預けれたとしても自動交換により日本から香港の口座を調査することが可能となり、さらに5,000万円以上の国外財産について申告しなければいけないという何重にも設置されたフィルターにより脱税はかなり厳しい状況になっているのではないかと思います。オフショア系の銀行口座もここ数年で潰しにかかっている状況をみるとかなり急ピッチで政府や銀行側は動いているのではないかと考えられます。これからは実態、証明をしっかりと残して虚偽のない動きをしないとパクられそうですね。
HSBC口座は日本にいながら書類で解約、閉鎖を行うことが出来ます。ご希望される方はこちらをご覧下さい。