香港の小切手の書き方と使い方《完全版》
香港に赴任することになって困ることのひとつとして香港の『小切手文化』があげられます。小切手は海外の映画で金額を書いて渡すシーンなどで見たことがあると思いますが、日本で生活しているとほぼ触れることがないのでいざ使うとなると戸惑ってしまいますよね。今回は香港の小切手について細かく解説していきたいと思います。
小切手とは?
小切手は皆さんがご認識されている通り、銀行が指定した用紙(小切手)に決められた書式で記入することで現金と同等の価値が発生して、受け取った人はその小切手を実際に銀行で現金化したり口座に振り込むことができます。直接現金の受け渡しではありませんので、現金のやり取りを行うよりもスマートに受け渡しすることができます。特に受け渡し金額が多い場合や持ち合わせがない場合に大変便利に利用することができます。
小切手は、会社からの経費支払い、家賃の支払い、公共料金の支払いなど、割と身近なところで活用するため、香港で生活される方は使い方をマスターしておいた方が良いでしょう。
小切手の種類はCrossed cheque(クロスドチェック)とBearer cheque(ベアラーチェック)があります。どちらも現金同等の価値が発生することに変わりありませんが、セキュリティ面が異なります。
Bearer cheque(ベアラーチェック)
このタイプの小切手は、小切手を持っている人であれば誰でも現金化することができます。柔軟性がありますが、盗難、紛失などのことを考えると注意しなければいけません。しかし、小切手の書き方によってはCrossed chequeと同様の安全性を発揮させることができます。
Crossed cheque(クロスドチェック)
このタイプの小切手は、指定された受取人の銀行口座でのみ受け取りが可能となります。万が一、小切手を盗難、紛失したとしても、第三者が現金化することができませんのでBearer chequeよりも安全性が高い小切手だと言えます。初心者はこちらの小切手をご利用された方が良いでしょう。Bearer chequeとの違いは、"Amount payee only"と記載がある点と、"or bearer"の記載がない点です。
小切手の書き方
- 受取人の氏名ローマ字(姓→名)を記入
- 英字で金額を記入
- 数字で金額を記入
- 自身の銀行登録の署名を記入
- 日付を記入
Bearer chequeをご利用される際に安全面を高める2つの追加記入内容
受取人を限定したい
下記の図のように"or bearer"と"或持票人"に訂正線を引くことで、受取人を小切手に記入している人のみに限定することができます。
銀行口座のみでの受け取りに限定したい
下記の図のように斜線を2本書くことで、銀行口座のみでの受け取りに限定することができます。
この2つの追加記入について、併用して利用することができます。一般的にはセキュリティー面を考慮して併用して利用します。
全て記入すると下記の図のようになります。2つの追加記入をしているので、この小切手は受取人の銀行口座へのみ入金することができます。
小切手帳の注文方法
インターネットバンキングで注文することができます。(セキュリティーコードが必要)
1.インターネットバンキングにログイン
2."Banking"の"Request for cheque book"を選択
3.セキュリティーコードを入力
4.小切手帳の種類と注文数を選択(注文数は3冊まで)
小切手帳のタイプを選択したら、"Continue"をクリックして次のページで"Confirm"を押すと注文が完了します。注文完了後、1週間以内に普通郵便で送付されます。
控えをつけるかどうかになります。いつ誰に小切手を渡したか管理されたい方はcounterfoilをお選びください。不要である場合はno counterfoilをお選びください。※複写式ではありませんので自身で控えを作成する必要があります。
小切手を現金化する方法
小切手を受け取ったら、自身が利用している銀行窓口、自身が利用している銀行ATM(小切手専用ATM)で現金化することができます。※ATMの場合は自身の口座への振込になります。
受取人の銀行口座情報が分かれば、第三者が銀行窓口または銀行ATMに小切手を持ち込んで受取人宛に振り込むこともできます。別の銀行に送金する際は、送金手数料がかかりますので手数料節約のためにこの方法を使うことがあります。
小切手を利用する際の注意点
小切手は振り込まれた際に、自身の普通口座(Savings)ではなく、当座口座(Current)から差し引かれるようになっております。当座口座に資金が入っていない場合は、小切手を銀行で現金化する際にエラーとなってしまう、またはマイナス残高となり、余計な手数料を取られてしまうことがあります。小切手を渡す際は、予め当座口座にその予算分の資金を入金しておくようにしましょう。※私はよく当座口座にお金を移すのを忘れてやらかしてしまうことがあります・・・
よくあるQ&A
A. 香港国内の銀行が発行した小切手は基本的にどの銀行でも手数料無料で現金化することができます。小切手を受け取ったら、自分が利用している銀行の小切手専用のATMで入金作業を行ってください。入金手続きが完了したら、すぐに口座残高に反映しますが、実際に利用できるようになるまで1-2営業日かかります。(詳細は銀行や入金する時間帯によって異なります)
A. 小切手を郵送する際は、Bearer cheque(ベアラーチェック)をご利用されている場合は二重線の記入と、"or bearer"、"或持票人"と書いてあるところにor bearer、或持票人 ←このように訂正ラインを記入してからご送付ください。万が一郵送事故が起こったり、受取人ではない人が受領してしまった場合、問題になってしまうので必ず記入してください。
A. 小切手は訂正できませんので、新たに作成してください。
A. 受取人氏名及び金額についてどちらの表現でもOKです。(頭文字は大文字)例えば受取人氏名はChankorogashiでもCHANKOROGASHI、金額はOne HundredでもONE HUNDREDのどちらでもOKです。
A. 銀行口座開設時に登録した通りとなります。カンパニーチョップ+サインでご登録されている場合は両方必要となり、カンパニーチョップをご登録されていない場合は、サインのみでOKです。詳細については銀行担当者にお問い合わせください。
A. 小切手に記載した日付より6ヶ月間有効となります。小切手を渡す際にすぐに現金化してほしくない場合は、小切手に将来の日付を記入して渡すという方法もあります。※日付の記入順番は31/12/2020のようにDD/MM/YYYYとなりますのでご注意ください。
A. 原因としましては、記入された小切手の記入ミスまたは、当座口座(Current)の残高不足が考えられます。小切手を発行した人にご確認ください。また、一度エラーとなった小切手は無効となりますので新たに発行するようにお伝えください。
A. スマートフォンのアプリで数字を記入すると英字に変換してくれる便利なアプリがあります。私はこのアプリを利用しています。
いかがでしたでしょうか?香港で生活をしていると日本との違いで困ってしまうことがたくさんありますが、ひとつひとつ順応していき、ストレスを無くしていきましょう。